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合唱団「はぐるま」に出演しました。

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 北九州に新たに誕生した、合唱団「はぐるま」の第一回演奏会が開催されました。この演奏会では越智がマリンバ奏者として、第3部を丸ごといただき演奏させていただきました。内容はピアノとマリンバの協奏作品として書かれた「種を蒔く人」という作品。真剣に音楽へ向き合う20名程の団員の皆様とともにステージを彩るつもりで、一つのステージをいただく重みを感じながらの披露です。ホールはほぼ満員のお客様(素晴らしい!!)。恵まれた機会に感謝しつつ無事終演。ありがとうございました。

種を蒔く人/信長貴富

 「マリンバとピアノのための――種を蒔く人」は信長貴富氏によって作曲されました。合唱界では誰もが名前を聴いたことがあるであろう作曲家。この演奏の次である4部は同作曲家による「思い出リミックス」という合唱作品であり、合唱の演奏会で器楽作品を演奏することはこの繋がりがあるからこそ成り立つんだなと思うと同時に、器楽と合唱の壁を越えて音楽のつながりを創る面白い試みだなぁと感じました。
 肝心の作品の中身ですが、3楽章構成となっておりまして「Ⅰ.種を蒔く人」 「Ⅱ.涙」「Ⅲ.蠢き(うごめき)」で構成されています。これらの共通点は「粒」です。種・涙・細胞分裂がイメージされていて、実際に音もパラパラと跳躍が多いイメージ。全体を通してやや不気味な印象がありつつも、どこか希望を感じるような雰囲気があります。というのも、この曲は2011年の東日本大震災を受けて、その絶望の中で新たな音楽を書き出す一歩として作曲された経緯があり、まさにその心を宿している作品だからだと思います。
 マリンバとピアノが様々な跳躍やリズムのパズルをつなげ一つの音楽にしていくのは、楽しい作業ですがこれがなかなかスリリング。丁寧にスコアを紐解きながらのリハーサルが行い、本番に臨みました。合唱と合唱の間にあるひとときの音楽、ご堪能いただけてましたら嬉しいです。

合唱団「はぐるま」

 北九州で音楽愛をひっそり心にしまっていたメンバーが集い結成されていた、「はぐるま」。その活動に賛同する者たちが鹿児島・佐賀・岡山・熊本・・・・など県外からも集い、第1回目のコンサートにして満員近いお客様の中、成功を収めるというストーリーはまさに「はぐるま」のように合唱に対する熱意が、多くの物事を動かして完成したものなんだと思います。そんな中に本番当日初めましての私が(笑)1ステージ頂いて演奏させていただいたのは本当にありがたい時間でした。きっといつか別の形でちゃんと共演したいですね!
 男声合唱、女声合唱、混声合唱どの演奏をとっても素敵な音楽でした。あの中で一緒に歌えたら幸せだろうなと思ったり(歌うとは言ってない)。合唱の演奏会に参加するとよく、なんでこんなに心が幸せで満ち溢れている人が多いのだろうと思うことがあります。うたうことは現代の私たちにとって一番原点(心)にある音楽なのかもしれませんね。

そしてマリンバと合唱は似ている部分があると思います。それはまた別の記事で。

楽しい時間をありがとうございました。

合唱団「はぐるま」のみなさん ※団員の画像から転載

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